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くまもと堆肥ネット


堆肥づくりのポイント

家畜排せつ物を資源として活用しよう!!
 家畜排せつ物は、そのままでは取扱いがしずらく衛生的とはいえません。また、未処理のまま土壌に還元しても作物に害を与えてしまう怖れがあります。上手に堆肥化をすることで有用な有機質肥料資源として利用しましょう。



使い易い堆肥とは

  生産された堆肥が、農作業や周辺環境に支障がないことと、土壌や作物に障害を与えないことが最も大事なことです。
 このためには、良好な処理条件における好気性微生物の働きにより、家畜ふんの臭気物質などの分解し易い有機物を分解し、成分の安定化を図るとともに、微生物分解の過程で発生する60~70℃程度の高温によって病原菌や寄生虫、また雑草の種子を死滅させる発酵処理が必要です。この発酵処理によって生産された堆肥は、水分が概ね40~60%程度で、ふん臭を発しない、取り扱い易いものに変化しています。


好気性発酵を行うこと

 発酵とは、微生物の分解作用によって人の役に立つ有価物が生産されることで、腐敗とは、逆に、微生物分解によって腐敗した人の役に立たないものができることを指します。

 堆肥化における発酵とは、家畜ふんの中に含まれる易分解性有機物を、好気性の微生物に分解させることを意味します。
 発酵によって、高温による病原菌や雑草種子の殺滅ができ、ふん臭がなく、雑草種子や病原菌が死滅した、水分が適正な良質堆肥を生産することができます。このことにより、耕種農家が使って安全・安心な堆肥を供給することができます。


  好気性発酵を行うには、空気(酸素)が必要です。 切り返しを行うと堆肥原料中に酸素が供給されます。供給された酸素は、微生物によって使われてしまいますので再度切り返しを行い酸素が供給されるようにすることが必要です。




家畜ふんの汚物感を無くし、取り扱い易くする

 生の家畜ふんは、ふん臭特有の悪臭があり、誰が見ても汚く不衛生に感じるものです。
 家畜ふんを有機肥料として利用してもらうためには、微生物の力により悪臭物質を分解し、水分を少なくして衛生的な「堆肥」を生産する必要があります。


取り扱い易い水分にする

  堆肥を仕込むときの水分は60~70%程度ですが、60~70℃の高温発酵によって堆肥の水分が蒸発し、仕上がりの堆肥の水分は、40~60%くらいになります。
 堆肥として取り扱い易い水分は、重量感が無く、衛生的なものとして感じること、乾燥しすぎて粉塵が飛び散らないことなどから、取り扱い易い適正な堆肥の水分は40~50%程度です。


堆肥の腐熟度とはなにか

  『堆肥を作ったのに使ってくれない』、とはよく聞く話である。
 この堆肥は未熟であるとか、完熟に近いとかよく言われます。未熟、完熟といってもそれほど単純なものではありません。
 堆肥の腐熟度は、以下のように定義されています。
 「腐熟とは、土壌に施用しても作物の生育障害を起こすことなく、土壌微生物に活動のエネルギーを十分与えて地力を維持し、作物の生産性を高めるような有機成分組成を持つようになることである。」

堆肥共励会等では、以下の項目を審査し、完熟程度を判定しています。
(1)副資材の種類
(2)切り返し回数(堆肥化の方法による分解率も考慮に入れている。)
(3)色相
(4)形状
(5)臭気
(6)水分
(7)C/N比
(8)塩素%
(9)発芽試験


堆肥製造のチェックシート

PDFファイル堆肥製造のチェックシートのダウンロード[12KB]



容積重の求め方

(1) 重量計とバケツを用意する。
(2) 空のバケツの重さと容量を量る。
(3) バケツに水を目一杯を入れて量る。
(4) バケツの容量(L)を出す。 例)20.9-0.8=20.1L
(5) バケツに前処理した堆肥原料をすり切り一杯入れる。
(上から押さえて詰め込まないようにすり切り一杯にする。)
(6) (5)を量る
(7) 前処理した堆肥原料の容積重を求める。
例)16.2kg→(16.2-0.8)÷20.1=約0.76kg/L
(8) 副資材の量を変えて容積重0.6kg/Lを目途に調整する。
 
 




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